依頼1 家族の仇

3/13
前へ
/276ページ
次へ
太一「何するんですか!?」 守沢「この子犬、どうしたの?」 太一「警部?」 アツミ「私を守ったの……、ママを殺した人から………」 太一「警部、聞いてます?」 守沢「犯人の顔を見たんだね?」 太一「父親だよ、父親。犯人は父親」 アツミ「うん、見た。知らない人だった」 太一「父親じゃないのか~」 守沢「似顔絵を描きたいから、これから警察署に行こう」 太一「分かった!その犯人、変装した父親だ!」 アツミ「でも……」 アツミちゃんはずっと抱き抱えている子犬を見つめる。 もう死んでいる、そんな現実を受け入れないその子に守沢は現実を突き付けた。 守沢「その子犬はもう死んでいる」 太一「犯人は父親!間違いない」 アツミ「………」 太一「よし、父親を指名手配だ」 守沢「……気持ちは分からない訳じゃない。でも、このままじゃダメだ。こんなところで立ち止まったら、前に進まない」 太一「警部!父親を指名手配に……ブハッ!!」 守沢「さっきからうるせぇぇぇぇぇぇ!!」 太一、二度目のパンチを食らう。 太一が殴られた箇所に手を当てている頃、アツミちゃんは母親との生活を話始めた。 アツミ「ママ、パパがいなくなってから……恐い人になった。学校の帰りが遅くなったら殴って……、悪いことをしたらご飯を食べさせてくれなくて………」 守沢はこの時、アツミちゃんの体をよく見る。 頬や腕には、母親が付けたと思われるケガの痣がハッキリと残っていた。 アツミ「良いことなんて無かった。……でもある日、この子と出会ったの」 守沢「この子犬か。母親がよく許したな」 アツミ「内緒で飼ってたの。でも、今日……バレて………」
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加