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太一「何するんですか!?」
守沢「この子犬、どうしたの?」
太一「警部?」
アツミ「私を守ったの……、ママを殺した人から………」
太一「警部、聞いてます?」
守沢「犯人の顔を見たんだね?」
太一「父親だよ、父親。犯人は父親」
アツミ「うん、見た。知らない人だった」
太一「父親じゃないのか~」
守沢「似顔絵を描きたいから、これから警察署に行こう」
太一「分かった!その犯人、変装した父親だ!」
アツミ「でも……」
アツミちゃんはずっと抱き抱えている子犬を見つめる。
もう死んでいる、そんな現実を受け入れないその子に守沢は現実を突き付けた。
守沢「その子犬はもう死んでいる」
太一「犯人は父親!間違いない」
アツミ「………」
太一「よし、父親を指名手配だ」
守沢「……気持ちは分からない訳じゃない。でも、このままじゃダメだ。こんなところで立ち止まったら、前に進まない」
太一「警部!父親を指名手配に……ブハッ!!」
守沢「さっきからうるせぇぇぇぇぇぇ!!」
太一、二度目のパンチを食らう。
太一が殴られた箇所に手を当てている頃、アツミちゃんは母親との生活を話始めた。
アツミ「ママ、パパがいなくなってから……恐い人になった。学校の帰りが遅くなったら殴って……、悪いことをしたらご飯を食べさせてくれなくて………」
守沢はこの時、アツミちゃんの体をよく見る。
頬や腕には、母親が付けたと思われるケガの痣がハッキリと残っていた。
アツミ「良いことなんて無かった。……でもある日、この子と出会ったの」
守沢「この子犬か。母親がよく許したな」
アツミ「内緒で飼ってたの。でも、今日……バレて………」
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