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───四ヶ月前。
木々の葉がひとつ残らず落ち、足元にはたくさんの枯葉が山を作っている。そんな、大学二回生の秋の終わり。
「うわ、まずい。遅刻だ」
一限目の授業が始まるまであと十数分というギリギリの時間に家を出た僕は、普段大きく感情が表に出ることはないが珍しく冷や汗が浮かぶくらいには焦っていた。
今年の夏、名の知れた大きな会社へ春からの就職を決めた僕。そんな僕は、中学から大学生である今日の今日まで無遅刻無欠席でやって来た。就職を決めた会社にも、それが大きく評価されたのだ。だから、どうしてもここで無遅刻無欠席の記録を潰すわけにはいかない。
「そうだ」
僕は、くるりと半回転して走る方向を変えた。普段、二十分程かけて歩いて通っている大学。このままだと間違いなく間に合わないと悟った僕はバス停を目指し、ただただ必死で走り続けた。
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