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あたしはきっと頭が可笑しくなってしまったんだ……
異国の風にあてられて、誘拐されて躰を自由にされて……きっとそうなんだ……
唇を塞がれた感触がとても気持ちいい。腰を抱き締める逞しい腕にぞくぞくと躰の奥が痺れてくる。
風に踊らされて舞う髪をすくう指先。愛美はいつしかその身をザイードに預けていた。
毎夜、この男に抱かれることが当たり前のようになっている。それがまるで寝る前の儀式でもするように──
そして、愛美の躰も──
「いつも触れる前から濡れている……」
「……っ…」
バルコニーで立ったまま、衣服の裾からゆっくりと忍ばせた指先を愛美の秘部に添わせ、ザイードはそう耳元で囁いた。
「自分で慰めていたわけでもあるまいに……」
「あっ…」
掠めるように敏感な先をなぞっていたザイードの指先が、軽く尖端を弾いた。
腰が砕け掛けた愛美を支え、ザイードは恥ずかし気に唇を噛む愛美を覗き込む。
そして、満足そうに視線を緩めた。
感じていながら必死に耐えて羞じらうこの表情がたまらない。
この顔を眺め、じっくりとまた責めたくなる。
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