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果てたザイードは額を愛美の胸元に預け肩で息をする。広い背中を抱き締めていた愛美の手が、ザイードの後頭部をもどかし気にまさぐる。
ザイードは愛美の胸の鼓動を耳にしながら髪をまさぐるその仕草に心地よさ気な笑みを浮かべていた。
果てたあとのこの心地好さがたまらない。
ハレムの女達を抱いても今までそう感じたことがなかった。
マナミは何かが違う──
その何かがなんであるのかはわからない。だが、こうやって肌を重ねたまま余韻を味わうこの時も、全てが貴重に思える。
何故だろうか──
何のしがらみもなく抱けるからつい気持ちを許してしまっているのだろうか──
いや、今はそんなことを考えることさえ煩わしい──
せっかくの、この一時を思う存分に堪能したい。
そして、微かに震えるこの唇をじっくりと塞ぎたい。
腰は繋がったまま、ザイードは気持ち良さに瞳を潤ませうっとりしている愛美を見つめ、半開きに緩んだその唇を塞ぎ、長いことゆっくりと熱い舌先で愛撫した……。
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