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さっきよりも近づいたおかげで、老人の顔もよく見える。
見た所60~70程の男。笑う事が多かったのだろう、笑い皺もできていた。
『何がありますか、この店には』
『…そうですね、お客様はここには噂を聞いて来ましたか』
『…はい。願いが叶う店だと聞きました』
『では、注文は願いを叶える事で良いでしょうか』
思わずぽかんとしてしまった。
至極当然のように願いを叶えると言ってのけた老人は、何やらガサゴソと準備をしだした。
『あのー…何か怪しい素材とか使うなら遠慮したいんですが…』
『ははは、いえいえ。何も怪しい物は使ってませんよ』
しばらくして、僕の目の前に置かれた物は湯気が立つコーヒーだった。
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