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その奇妙な店は森の奥深くにひっそりと建っていた。 この町に住んでる人間でその存在を知らない者はいない。 また同時にその店に入った者もいない。 それは店と認識されていないからなのか、行くのが面倒くさいからなのか、何の店かわからないからなのか。 そんな店に俺は今、足を踏み入れようとしている・・・。 俺は米田将。 地元の大学に通っている。 今日は大学の友達と近くの森でキャンプをしていた。 しかし、突然の豪雨。 テントに戻ろうとした所俺は足を崩し小さな崖から落ちてしまった。 「うわっ!!助けてくれ!」 友達に助けを求めたが雨音でかき消され、誰にも気付かれることなく下へと落ちてしまった。 「最悪だ・・・。早く戻らなきゃ!」 不幸中の幸いにも怪我はかすり傷程度。 テントの場所へ戻ろうとしたが道がわからない。 「くそぅ、こりゃ面倒くさいことになった。」 雨は直ぐに上がった。 まるで崖の下に俺を落とすためだけに降ってきたかのように。 「今頃みんな俺がいなくなって心配してるかな・・・。」 ふとそう思ったが嫌な考えばかりが頭に浮かぶ。 どうせ俺なんて居てもいなくても同じようなもの。
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