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「ふふふ、大体は合ってるけど乗っ取るなんて人聞きが悪い。交代するんだ。」 急に恐怖心が煽られた俺は彼を突き飛ばした。 「俺は俺だ!お前じゃない!」 突き飛ばした拍子に彼は尻餅をつき、フードが取れた。 「お、お前・・・その顔!!」 「僕は僕だ。そして、君でもある。」 明るい部屋ではっきりと見えた彼の顔は、米田将の顔そのものだった。 しかしその顔はどこか自信に満ち、野心的な眼を持っている。 俺は部屋から飛び出そうとしたが、いつの間にか閉まっており先ほどのドアと同様に内側にドアノブは存在しなかった。 「お前はだれだ!なぜ俺と同じ顔をしている!」 「僕は君なんだ。本当は実在しない君が思い描いた理想的で憧れの君。この店ではその実在しないはずの幻想が具現化し自我を持つ。それが僕だ。」 腰を抜かしている将の目線に合わせるようにしゃがみ込み鋭い眼差しで将を見つめる。 「おめでとう。君が望んだ僕にやっと会えたね。もうゆっくり休むといい。後は僕がうまく生きていくよ。」 「やめろ・・・。俺は一人だ!ここに存在する俺以外俺じゃない!!」 彼の首を掴み馬乗りになった。 彼は生きている。 俺の顔をして生きている。
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