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「おぉ、おぉ!! ようやく生まれてくれたのですね、我が愛しき吾子よ」
「――――ッ!?!?」
そんでもって、だ。
ぎゅむーッ!!と、擬音でもつきそうな勢いで、金髪の美女が俺の事を抱きしめてきた。
背は同じくらい。
いや、俺よりも少し低いその美女は、波打つ見事な金髪を水面に揺らし。
豊満な胸元に惜しげもなく俺の身体を押しつけてくる。
「う、うぁっ!? ちょちょちょ、ちょっ、っと、お姉さん!?」
「ふふ。お姉さん、などと何を他人行儀な。そなたはわたくしの愛しき吾子ではないですか」
アコ!?
アコって何だ!?
話の流れ的に、愛しきアコって俺のことか!?
俺の常識っていう壁をポーンと軽々と飛び越えた目の前のアリエナイ現実に、頭の方がついていく事が出来ずポカンと口が半開きになるのは仕方ない事だろう。
「え、えぇと、あの…………」
「さぁ、遠慮はいりません。早ぅわたくしのことを『おかあさま』と」
「お、おおおおおっ、おかあさまぁぁぁぁ!?」
呼ぶというよりは、絶叫した、が正しいだろう。
俺の叫び声にそれはそれは嬉しそうに青い瞳を細めて笑んだ自称『おかあさま』は、抱きしめる腕を一旦緩める。
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