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「嫌なことってなん?」 「ホントに好きになって、自分が対象外で、おまけに訳わかんないカノジョがいるって知ったらつらくない?」 「え……まぁ、そやなぁ……」 「美咲ちゃん、それホントなの!?」 「例えば、の話だよ。ね、叶多ちゃん」 美咲に同意を求められると、当たり障りなく控えていた叶多は鼓動が飛び跳ねるくらいにびっくりした。 それがどういう意図か考えあぐねて答えられず、叶多は曖昧に首をかしげた。 「そっかぁ。考えてみれば親戚っていっても生活レベルって全然違うし、いまは芸能人だし、世界も違う感じ。あたしじゃ釣り合わないかも。憧れですましておくほうが無難かな」 「生活レベルとか芸能人ってことより、戒斗にとって、戒斗のためにどうなのかってことのほうが問題だと思うけど」 美咲はまるっきり当てつけのように手厳しい。
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