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「どこだって一緒だろ」
「でも……」
報告ということではなんの心構えもなかっただけに、叶多は尻込みした。
「ここでキスしたっていい。そのほうがかえって手っ取り早いかもな」
叶多はびっくり眼で戒斗を見上げた。
口を歪めた笑みは冗談か本気か区別がつかない。
どうする? と問うように戒斗は首をかすかにひねった。
「……わかった」
「どっちだ? キス? 報告?」
答えを知っているくせにわざと訊いた戒斗は、やはり叶多をからかっていたのだ。
冷静に考えれば、こんな場所で戒斗が破廉恥な行為を曝すわけがない。
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