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まず、戒斗の両親、拓斗と那桜の目が向き、そして椅子に座った戒斗の祖父母が視線を上げた。 「父さん、あらためて報告です。おれはいま、叶多と一緒に暮らしています」 出し抜けの報告に様々な意味合いの嘆息があがるなか、叶多は慌てふためきながら一礼した。 顔を上げると、隼斗の苦り顔に迎えられる。 「戒斗、どういうことだ?」 険しい声で訊ねたのは継斗だ。 おののきながらもざっと見渡すと、知っていたのは隼斗と拓斗、そして那桜だけのようだ。 那桜はうれしそうな微笑みを見せてくれた。 戒斗の母親、詩乃と、祖母の百恵(モモエ)は純粋に驚いた眼差しを叶多に注いでいる。
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