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車に乗り込んだ陽向は上機嫌だった。
「ああ、楽しみだなあ、初めての映画館!でも、ほんとに怪獣映画で良かった?子供みたいで嫌じゃない?」
「いや、俺も見たかったよ。内容は子供向けじゃないみたいだよ。山瀬さんはゴ〇ラの大ファンで、今までの映画を全て見たらしいけど、面白かったって。でも、陽向がゴ〇ラ好きだとは知らなかった」
「父さんが好きだったんだ。子供の頃、何度か古いやつを家で一緒に見たことがある。それに、今回のはちょっと別のお楽しみもあるというか・・・えへへ」
「え、なに?好きな女優が出てるとか?」
「わ、近い!というか、正解?男性の俳優さんだけどね」
「誰だろう?」
「えっとね、主役?準主役?よく知らないけど、メインの二人のうち目の大きな方。わかる?」
「ああ、わかる。なんで好きなの?なにかドラマとか見た?」
「えへへ、あの人、ちょっと征治さんと似てるよね」
予想外の答えに、吹き出した。
「え?征治さん似てるでしょ?あの人をぐっと若くして更に鼻を高くしたらさぁ。あの人、質は違うけど征治さんと一緒で声も低いし。でも、僕は征治さんの方がずっとかっこいいと思ってるけどね」
「陽向、それあんまり人に言わない方がいいかも」
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