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「それにしてもイケメンだったな。なんつーか、美人?キレイ?征治が引きこもりじゃないかなんて言ってたから、もっさりした眼鏡のオタクを勝手に想像しちゃってて、登場したのがあれだからびっくりしたわ。それに、何か運動してるよな。体締まってたし、色白だったけど右手首に日に焼けてないところがあった。あれはリストバンドの跡じゃないかな」 「よく見てますね。後天的に声を失うって病気か何かですかね?わりと最近、有名な歌手が咽頭がんか何かで声を失ってましたよね」 「そうかもしれないな。綿のタートルネックを着ていただろ?もしかしたら手術跡でも隠しているかもしれない。でもそれより、彼は何か胸の奥に抱え込んでるものがありそうだな」 その時、征治の脳裏に何かチカッと感じるものがあったが、山瀬に話しかけられ気がそれた。 「征治、今夜、飯に付き合えよ。スケジュールきついか?」 本当は昨夜のうちに東京に戻っているはずだったので、午前の仕事が丸々手つかずの状態だがわざわざ山瀬がこういうのだ。何か話があるのかもしれない。 「8時過ぎるかもしれませんがいいですか?それまでに何とか形をつけますので」 「OK,それでいいよ。福ちゃんでいいか?」 征治が頷いた時、車がユニコルノが入っているビルの地下駐車場に着いた。
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