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「で、ユニコルノでどう料理するんですか?」
「まあ、そんなに焦るなよ。俺はこの作家の事が気に入って他の作品も探してみたんだが今のところ3冊しか出ていないんだな。もう一冊買って読んでみたが、これもまたいいんだ。
しかし最初に出した本は殆ど売れなかったのか、あっという間に絶版になっていて、中古市場でもほとんど見当たらない。だがコアなファンというのはどこにでもいるらしく、この1冊目を絶賛している人が多いんだ」
まだ、話はよく見えてこない。
「この作家の作品をどう生かそうか色々考えてたんだ。今時TVのドラマ時間枠を買ってCM流しても、みんな録画で見てCMはカットしちゃうだろ。
小説をアニメか実写ドラマに起こして配信するのがいいかと思うんだが、スマホやタブレットでわざわざ動画を見るのって年齢層が限られるし、その年齢層はもっと刺激の強いコンテンツを好む傾向が強い。もっと全年齢向けで誰が見ても嫌な気持ちにならないそういう作風なのよ。」
ほのぼの系ってことか?
「例えばさ、うちの作っているポータルサイト、今一つアクセス数が伸びてないじゃん?あれがもっと伸びれば広告収入も上がるからなんかテコ入れしたかったんだけど、新聞の連載小説みたいにいつも決まった場所に、3日ごとに話が進んでいくアニメーションを載せるっていうのどうだろう?」
「大事な広告スペース、それに割くんですか?それに、そんなのウケるんですかね?新聞の四コマ漫画みたいに、誰が読んでも毒にならないようなものって、取り立てて読む側も期待してないんじゃ?」
「いいとこ突いてくるね。でもあれって、いつも見るように習慣づいてると見ないと落ち着かない気分になんない?しかもそれが続き物で面白かったら?
あと、新聞の連載小説も意外と好きなのよね、俺。旅行なんかで家を空けるときも、ニュースなんかはどこででも手に入るけど、あの欄が読みたいから配達店に取り置き頼む人って結構いるらしいよ?」
そういうものなのか。
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