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それは奇妙な店で出会った。
前々から気にはなっていたその古びた店は、多分雑貨屋だと思う。
なのに、それはいた。
マジマジと見つめていると、店主が言った。
「その子はどこからかやって来て、ここにいついたんだよ。生き物だし、売り物にはならないねぇ~。ただ、私ももう歳だし、誰か引き取ってくれるといいのだけどねぇ~」
これが、どこからかやって来るものなのか?
普通ではあり得ない…。何故なら、ちょっと大きいぬいぐるみと間違えられるサイズの小さい、プテラノドンだぞ。
俺の知識が間違ってなかったら、こんな感じではなく、今はこの世にはいないはず…なのだが。
おまけに、
「ピーっ」
何とも可愛らしい鳴きかただ。
イメージとは随分、かけはなれている。
プテラノドン好きな人がみたら、落胆するレベルだぞ。
思わず、眉間に皺を寄せてしまう。
なのに、そいつは俺の肩に飛び乗った。
「!?」
「ピーっ、ピー」
耳元で鳴かれるとうるさい…。
それを見ていた店主が、ニンマリと笑った。
「気に入られたようだね。ほれ、これが、その子のこの数年間の観察日記」
「いや、飼うつもりは…、っていうか病気になったりしたらどうしたらいいか、分からないし」
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