681人が本棚に入れています
本棚に追加
「先生。
余計な詮索はせんでええ。
やるのか?
やらないのか?」
眼光鋭い幕田の祖母が自分を見据える。
ひっ、と思った。
幕田、このばあさんの血を一滴も引いてねえな。
存在感ハンパねえ。
「先生、先生。
宿代だけで、今月の予算オーバーですっ」
と深鈴が袖を引いてくる。
「わ、わかってる。
事件を引き受けるのはいいが、年寄りから、あんまり金を貰うのは……」
「私は年寄りではない」
と幕田のばあさんは言う。
さ、さようでございますね、と思いながら、
「わかりました。
では、とりあえずお引き受け致します。
でも」
と晴比古は、一応断りを入れた。
「……どんな結果になるかわかりませんが」
幕田の祖母は、うむ、と頷く。
こええよ、何処の女帝だよ。
着てるものは、普通のおばさんの服だが、威厳がありすぎる。
最初のコメントを投稿しよう!