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晴比古の視線を感じて、幕田が言う。
「おばあちゃん、昔、校長先生やってたんです。
定年してからも働いて……」
チラと祖母に見られただけで、幕田は黙った。
慕ってもいるようだが、やはり、怖いばあさんのようだった。
「先生、まだ此処におるかね」
「いや、そろそろ」
宿の方もやるとなると、一度帰った方がいいかと思い、そう言うと、
「そうか。
じゃあ、急いで持ってこよう、おはぎを」
と言って戻っていった。
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