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帰りのタクシーは、幕田も同乗することになり、男二人に挟まれたくないのか、深鈴は助手席に行ってしまった。
菜切がちょっと嬉しそうだ。
「幕田。
お前のばあさん、名前は春子か?」
あのジジイ、確か、ハルさんと呼んでたな、と思い、訊いてみる。
「片仮名で、ハルです。
HALとか年賀状とかには書いてましたかね」
なんとなく、あのばあさんらしいな、と思ってしまった。
「元気なばあさんだな。
いや、ばあさんと呼ぶには若いか」
「そうですね。
昔の漫画とか見ると、孫の居る世代って、すごい年寄りに描いてあるけど。
いまどきは、全然若いですよね」
そのとき、助手席に座って、前の道を眺めていたせいか、ふいに深鈴が訊いていた。
「そういえば、菜切さん。
例の幽霊が出る通りって何処なんですか?」
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