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宿に着いた幕田は知り合いの刑事が居たらしく、そっちに行って話を聞いてくると言った。
菜切はタクシーを止め、
「大変でしたねー」
と言いながら、フロントの女性たちと楽しそうに話している。
……仕事しろ。
そのとき、志貴が奥から現れた。
初めて志貴を見た幕田は、驚いたように振り返り見ている。
そんな人の反応には慣れっこな志貴は気にするでもなく、
「深鈴」
と彼女に呼びかけたあとで、
「先生、仏像の方はどうでしたか?」
と訊いてきた。
「いや、それが、こっちの事件をやれと向こうで依頼されて、追い返された」
「なんでですか?」
「昔の殺人事件がどうとか言ってたな。
そっちはなにか……」
進展あったか、と訊こうと思ったのだが、何故か側に幕田が張り付いてくる。
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