677人が本棚に入れています
本棚に追加
/477ページ
「副支配人ということは、犯人じゃないですかね?」
と小声で幕田が囁いてくる。
「支配人になりたくて殺したんです。
二時間サスペンスなら、大抵そうです」
「お前、本人前にして、なに言ってるんだ」
幾ら小声でも、これだけ近ければ、丸聞こえだ。
新田はこちらを見、苦笑いしている。
「ところで、兄貴って誰だったんですか?」
「……志貴なんじゃないか?
なんか絡まれてるから」
西島俊哉は、服装に対する新田の忠告も、
「なにしましょうか、兄貴っ」
と仔犬のように志貴にまとわりついて聞いていない。
新田は溜息をついて、行ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!