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「おい、志貴。
幕田じゃないが。
なんだこの、二時間サスペンスなら、すぐに殺されそうな下っ端は?」
と言うと、志貴が、
「失礼じゃないですか、先生。
彼、先生より年上なんですよ」
と言ってきた。
ええっ? と晴比古は俊哉を二度見する。
「兄貴っ。
この人、兄貴の舎弟ですか?」
と俊哉が志貴に訊いていた。
「……朝とか見なかったの?
探偵の阿伽陀晴比古先生だよ」
ああ、と俊哉は笑い、
「探偵って、ほんとに居るんすね」
と甚だ失礼なことを言ったあとで、
「阿伽陀って、酒のことっすよね」
と言ってくる。
「よく知ってるな」
阿伽陀は不死の妙薬のことだが、そこから転じて、酒のことも意味する。
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