第一章 幽霊タクシー

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「いや……格好があれなだけなんで」 と菜切も言う。  たしにか気性は悪くなさそうだが、と眺めていると、菜切が言ってきた。 「あれで素直なんで。  顔も悪くないし、女性たちにはマスコットキャラみたいに扱われてます」  なるほど。 「西島くん、さっき羽柴さんがくれたお菓子あるよー」  お茶においでーと、と掃除のおばちゃんが通りがけに声をかけていた。 「ありがとっす。  先生、兄貴、とそこの人たちも一緒にどうっすか?」 と言う俊哉の言葉に、おばちゃんが、こちらを見、 「あら、こりゃまた、二人とも男前だねー」 と豪快に笑う。  捕って食われそうなので、遠慮した。
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