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「なんで?」
「いや、……なんとなく。
僕が女だったら、そうかなあって」
やっぱり、自分より、志貴の方が、晴比古に対する心酔具合がひどい気がするのだが……。
「じゃあ、志貴、晴比古先生とキスしなさいよ」
「嫌だよ」
「うーん。
じゃあ、私が先生とキスしてたら、どうしてた?」
「殺すよ」
爽やかな笑顔で、志貴は迷いなく言う。
「えーと……どっちを?」
どっちも、と言うかな、と思ったのだが、志貴は、
「晴比古先生をだよ。
君は洞窟にでも閉じ込めるよ」
と言ってきた。
「結跏趺坐を組ませて、石灰水で固めるの?」
と苦笑いして言うと、そんなもったいない、と言う。
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