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ありがとっす、と頭を掻いているが。
いや、待て待て。
若くも見えるが、それ以前に、言動が幼稚というか。
こんなのが三十五歳か。
この先、日本、大丈夫か? という気分にさせられる男だった。
だが、彼の前で順番待ちしている平澤という男は三十二だが、普通に落ち着いていた。
しかし、この西島という男、なにも考えてない分、人が良さそうで、さっきから見ていると、彼を中心に小さな笑いが起こったり、和やかな空気に包まれたりしている。
ともすれば、ピリピリしがちな状況なのに。
リラックスするのは悪くない。
脳がやわらかい状態の方が思い出せることもあるからだ。
まあ、さっきの角材の話のときは、みな、固まっていたが。
こちらを見て、俊哉が真剣な表情で言ってくる。
「兄貴、兄貴って呼んでいいっすか?」
「駄目」
って、もう呼んでるしっ。
僕、君より年下なんだけどっ!?
兄貴はやめて。
戻ってきた深鈴と晴比古が爆笑する姿が頭に浮かんだ。
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