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「私はまだ死にかけてない。
そこのくたばりぞこないより、金もある」
「ハルさんの毒舌、若い頃のままじゃ。
ゾクゾクするのう」
「なんだ、この変態ジジイとババアは」
と言うと、幕田が、
「すみません。
うちのおばあちゃんまで一括りにしないでください」
と言ってきた。
「おかしいのは、定行のおじいちゃんだけです。
この年になっても女好きで」
そういえば、深鈴には草引きさせずに一緒にお茶飲んでたな、と気づく。
「いいんじゃ、ハルさん。
先生、冗談じゃ。
わしは金は持っとる。
傷痍軍人だからの」
ハルはふん、と鼻を鳴らして言った。
「どっちでもいい。
この村で殺人事件とか、もう充分じゃ」
「もう……?」
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