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「ふう、ベルトオーナーが増えるのはええけど、こうもただ暴れたいだけの奴が多いのは難儀やなぁ。」
フユキは変身を解き、ジュエルとバックルを外ししまう。
「仕方ないでしょ、それが大概の人間の本性だもの。大きな力をただの一般人が持ってしまえば、後はきっかけさえあればほとんどが悪用されるのよ。」
夏樹はフユキの側に近付き、男の壊れたバックルとジュエルを拾う。
「テレビでやってるヒーローなんて、ただのお伽話にしか過ぎないわ。」
「ふーん……でもリベル、呼道 勇騎クン、やっけ?あの子は立派にヒーローしとると思うよ?後はなんやったっけ……君が目を付けた子、白羽 美穂ちゃんか。あの子もええ子そうやけどなぁ。」
「………物好き程度の認識しかないわよ。ヒーローしてるとかしてないかなんて。私達にとっては邪魔でしかないでしょ。」
「まぁそう邪険にせんでもええんちゃう?僕は仲良うしたいけどなぁ~。」
そう2人が話していると……
「………こんな所にいた。今まで何してたんだ君達は。」
2人の側に、銀髪の女性『内藤 銀』が現れた。
何処となくゴスロリ風というか、メイド服の様な格好をしていて、左腕には奇妙なデバイスが身につけられている。
「およ、今度はギンちゃんか、今日は色んな人に会うなぁ。」
「………何しに来たのよ。ギン。」
「『あの人』がお呼びだ。そろそろ戻るぞ。」
その言葉に、2人は何か感づいたようだ。
「なんや、また急やなぁ。もう少し遊びたいのに。」
「文句を言うな。リョウマがやられた今、少し人出は足りない位なんだ。」
「………。」
「……?どうした?夏樹?」
「夏樹ちゃんもギンちゃんみたいなグラマラスなボディになりた……おおぅ。怖い。」
フユキが言いかけた時、夏樹から一瞬殺意が芽生えた。
「……茶番はよせ、行くぞ。」
そういうと、ギンは歩き出す。
「………。」
夏樹もギンについて行く。
「やれやれ、ま、お楽しみはこれからっちゅう訳やな。ほな、行こか。」
いつも通りの笑みを浮かべ、フユキも歩き出した。
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