『The Another “Origin”』

26/45
前へ
/45ページ
次へ
「ふう、ベルトオーナーが増えるのはええけど、こうもただ暴れたいだけの奴が多いのは難儀やなぁ。」 フユキは変身を解き、ジュエルとバックルを外ししまう。 「仕方ないでしょ、それが大概の人間の本性だもの。大きな力をただの一般人が持ってしまえば、後はきっかけさえあればほとんどが悪用されるのよ。」 夏樹はフユキの側に近付き、男の壊れたバックルとジュエルを拾う。 「テレビでやってるヒーローなんて、ただのお伽話にしか過ぎないわ。」 「ふーん……でもリベル、呼道 勇騎クン、やっけ?あの子は立派にヒーローしとると思うよ?後はなんやったっけ……君が目を付けた子、白羽 美穂ちゃんか。あの子もええ子そうやけどなぁ。」 「………物好き程度の認識しかないわよ。ヒーローしてるとかしてないかなんて。私達にとっては邪魔でしかないでしょ。」 「まぁそう邪険にせんでもええんちゃう?僕は仲良うしたいけどなぁ~。」 そう2人が話していると…… 「………こんな所にいた。今まで何してたんだ君達は。」 2人の側に、銀髪の女性『内藤 銀』が現れた。 何処となくゴスロリ風というか、メイド服の様な格好をしていて、左腕には奇妙なデバイスが身につけられている。 「およ、今度はギンちゃんか、今日は色んな人に会うなぁ。」 「………何しに来たのよ。ギン。」 「『あの人』がお呼びだ。そろそろ戻るぞ。」 その言葉に、2人は何か感づいたようだ。 「なんや、また急やなぁ。もう少し遊びたいのに。」 「文句を言うな。リョウマがやられた今、少し人出は足りない位なんだ。」 「………。」 「……?どうした?夏樹?」 「夏樹ちゃんもギンちゃんみたいなグラマラスなボディになりた……おおぅ。怖い。」 フユキが言いかけた時、夏樹から一瞬殺意が芽生えた。 「……茶番はよせ、行くぞ。」 そういうと、ギンは歩き出す。 「………。」 夏樹もギンについて行く。 「やれやれ、ま、お楽しみはこれからっちゅう訳やな。ほな、行こか。」 いつも通りの笑みを浮かべ、フユキも歩き出した。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加