『The Another “Origin”』

27/45
前へ
/45ページ
次へ
翌日、赤井川高校。 「………。」 帰りのHR後の放課後にて。教室はまだ人がいて活気に満ちてる。 しかし輝はその中で……昨日の事で頭から離れなかった。 いきなり自分の過去を晒された思い。 いきなり見知らぬライダーのジュエルを渡された思い。 怒りと戸惑いが交差した昨日の出来事。 そんな中で、静かにフエキという男から貰ったジュエル……マッハを見つめる。 『もしかしたらこことは違う別の世界では、この世界のライダー、リベルのように、君も、仮面ライダーだったのかもしれないねぇ。』 ーーー何故か、この言葉が離れなかった。 「………別の世界とか、そんなディケイドみてえな話があるかよ。」 そう静かに呟く輝。 「輝、どうしたの?」 その様子を、舞が気になり側に近付く。 「………別に、なんでもねえよ。」 輝はマッハのジュエルをしまい、そう返した。 「珍しいね。昨日までずっとうるさかったのに、何かあったの? 「だからなんでもねえって……」 「嘘、絶対何かあったでしょ?」 「なんでもねえってッ!!」 つい声を荒げてしまう。 それに舞も驚き……周りも、思わず静かになった。 「………悪い………」 我に帰り、謝る輝。 「いや……私こそ、こんなになるなんて思わなかったから……」 「………」 輝は少し黙った後、すぐに鞄を背負い出す。 「輝………?」 「帰る。」 「ちょっ……わっ!!」 輝はすぐに歩き出してしまい、舞は思わず戸惑う 「よお輝!今日は久々にゲーセンでも」 「いかねえ」 「ラリアット痛いッ!?」 近づいて来た信也をラリアットで倒し、そのまま歩き去る。 「輝、待っ………ぅん……ッ!?」 追いかけようとした時、舞に突然頭痛が襲いかかった。 その状態で輝の後ろ姿を見た時………隣に、輝と同じ動きをした、灰色の戦士の姿が一瞬見えたような、気がした。 「ーーー感情の、囁き………。」 無意識のその言葉を呟いた時、ハッと我に帰る舞。 「………なんだったの………今の………?」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加