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「………クッソ………。」
輝の気分はあまり良いとは言えない。
この状態で喧嘩なんて売られたら………容赦なく叩き潰せる位に苛立っていた。
「……後で謝んなきゃな……」
さっき、それでも舞に思わず声を荒げてしまった事を気にしていた。
「………。」
そんな中、輝は……アンクのジュエルを取り出し、見つめる。
「………なぁ。あんたが頑なに動かねえのは、なんか理由でもあんのか?
あの時、あの胡散臭えスーツの男にあった時から、もしかしたら、あんたのその動かねえ状態が、ただの故障とかじゃねえ気がするんだよ。
教えてくれよ………俺はこれから、この気持ちを何処にぶつけたらいい?」
アンクのジュエルに向かい、そう呟いていた。
だが、何も答えない。当然といえば当然の結果だ。
だがしかし、仮に万が一語りくれてたとしても………「知るか。」と、言いそうな気がする。そう輝は考えていた。
「……何考えてんだ。俺。」
馬鹿だなと思いながら、輝はジュエルをしまおうとすると………
「キャアアア!!」
「うわ、なんだあれ!?」
悲鳴が聞こえ、その方向に視線を送る。
遠くから見える……ナニカ。はっきりと分かるのは……そいつは、人間ではなく、怪物だった。
「………は?あれって確か…あの動画に流れてた……」
名前はロイミュード……だっけ?確かそんな名前が聞こえた気がする。
機械と生物が混ざったような姿をしていた。
「………ん?こっちに向かって……来てるッ!?」
進行方向が完全にこっちの方へ向いていた。
突然の事だったが……輝は動かず、むしろ拳を握りしめていた。
ーーー来るなら、来いよ。
怪物相手でも、そんな事を思っていた。しかしその時………
『ラーイズアーップ!リベル!ライザー!』
その音が聞こえ……輝に近づいて来たロイミュードは、何かに弾かれ、大きく吹き飛んだ。
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