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「……少し遅くなっちまったな……。」
先程まで学校、友人と遊び、そこからあのライダーサモン……所謂『野良試合』が始まり、すっかり夕暮れになっていた。
「……そういや明日だっけか、ライダーサモンの大会、生配信もされるみたいだし学校でゆっくり見るかなー。」
そんな事を呟きながら、輝は自宅の前まで辿り着く。
そしてそのドアを開け、靴を脱ぎ、家の中に入りリビングの扉を開ける。
「ただい………」
「遅おぉいッ!!」
「いってぇ!?」
開けた瞬間、突然放たれたドロップキックにより輝は少し仰け反る。
が、すぐに体制を立て直す。
ドロップキックを放ったのは『篠原 勇』<いさむ>。輝の父だ。その男は……
「痛い……肘打った……」
受け身に失敗したようである。
「ってダサっ!?何受け身失敗してんだそっちから仕掛けてきたくせに!!」
「何を言う!こんな時間まで一体何してたんだこの不良息子!門限守れないなんてお父さん悲しいぞ!!」
「まだ6時半ぐらいじゃねえか!!何処にこんな健全な男子高校生をそんな早え家に帰らせるような家があんだよ!それにこの流れ確か7時ぐらいに帰ってきた時にもあったぞ!毎日変わる門限なんざ守れるかよ!」
「………あれ、そうだっけ?」
「はいデジャヴ!!」
「テヘペロッ☆」
直後、輝は勇を殴り飛ばす。
「おかえりー兄貴。」
「あ、お兄ちゃんおかえり!!」
リビングの中まで入る。それぞれ輝の弟と妹、『篠原 佐助』<さすけ>と『篠原 唯』<ゆい>だ。
「お、なんだ、今日部活とか早かったのか?」
「今日サッカーはオフ。丁度さっき帰ってきた。」
「私は今日お母さんの買い物手伝うって決めてたから」
「そっか、お疲れさん。てか親父、時間的に佐助にも同じ事やったのか?」
「やってないよ」
「なんでだよッ!?」
「お前と違って偉いからなッ!ざまぁww」
「テメェ、俺だってさっきライダージュエル取られそうになった子供助けたんだ俺だって偉いだろうが」
「へぇー何それ自慢ですか!?『俺人助けしましたドヤァッ』的な感じですか!?それともお前がレアなライダージュエルとやら持ってるからその自慢か!?羨ましいんだよテメェ!」
「なんだこいつッ!?てか親父テメェライダージュエルのラの字も知らねえ癖に適当な事言うんじゃねぇ!!」
またしょうもない争いが始まった。
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