『The Another “Origin”』

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「……で、こいつは相変わらず、動かず仕舞いか。」 輝の持っているジュエル。 デルタ、ナックル。 そして実はもう1つある……それは彼が初めて手にしたジュエル。それを手に取り眺める。 手に持ったジュエルに描かれているのは、グリードという怪人の、『アンク』だ。 初めは機能していたのだが、ある日突然動かなくなってしまったのだ。 問い合わせて連絡もしてみたのだが、『特に異常はなく本来なら動かせるはず』との事。 動かなくなった時はそれはもう阿鼻叫喚だったという噂が…… 「……ま、毎度の事だし、大事に取っておくけどな。大好きだし。」 軽く投げ、机の上に置く。 「しっかし、これだけライダーサモンが流行ってんだから、その内自分も変身できるやつとかできねぇかなー」 そんな事を呟きながら鞄の中身を整理する。明日の学校の準備だろう。 ーーーもうすぐ、敵がくる。 「………ん?」 声が、聞こえた気がした。 その声のした方へ振り向くが………誰も、そこにはいなかった。 「気のせい……か?」 輝が振り向く前……そこには、茶色かがったロングヘアーに、白いボロボロのドレスを女性が立っていた。 振り向いた時には、静かに銀のオーロラのようなものに包まれ消えてしまったのだが……輝はそのタイミングでは見ることが出来なかった。
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