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「サキちゃん？」
サキちゃんは静かに涙を流していた
「どこか痛いの？
大丈夫？？」
泣いているのに無理して笑って…
「大丈夫よ」
って言ったけど…
『ハルに会いたいよ…』
サキちゃんの心の声がスッと聞こえた
僕にはよく分からないんだ
ユキ様はサキちゃんに会いたくて
サキちゃんは、お兄ちゃんに会いたい…
お兄ちゃんは…
お兄ちゃんはどうしたいんだろう
コンコンコン
扉を叩いたかと思うと
直ぐに扉が開いた
「子供がこんな所で何してるんだ？」
声の方を見上げると
キツネ顔の男が僕を睨んでいる
「課長…」
「あなたを監視するはずが…
こんな子供が迷い込むとは」
「僕、迷ってないもん」
「1人で来たのか？
それとも誰かが連れてきたのか？」
この人の目が怖いよぉ
「……」
と、その時、ジェジェジャの声が降ってきた
『ワシが連れてきたんじゃが……
お前には関係の無い事じゃ
カエデを西の門へ連れてこい』
「！！この声は……
ジェジェ様？！」
『国王の命によりカエデはここに参った
何人たりとも邪魔は許さぬ』
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