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その後に俺……藤花 奏は夏樹を家まで送った。
「今年一週間遅れで私達の会ったお祭りがあるんですよ、折角だし行きませんか?」
断る理由は無かった。俺は夏樹に二つ返事で了解すると、一度夏樹の頭を撫でてから帰宅した。
そして祭り当日、彼女との待ち合わせまで30分といった所で、勤め先を出てバイクを停めてある駐車場に向かった俺は………
「っあ……!?」
突然現れた、いや……車の影に隠れて待ち伏せしてた誰かに腹部を包丁で突き刺された
一瞬分けが分からなかった間はいい。だがら自分の腹部に刺さった物を視認した瞬間、今まで感じた事のない痛みが腹部を焼いてると言わんばかりに発せられる。
「一年越し……ははっ!!久しぶりだなぁ?おい」
痛みに支配される頭でも包丁を引き抜いた男を見るのと、すぐに誰か理解してしまった
「ほら、こんな目立つ所で死ぬんじゃねぇって」
男……そう、一年前に夏樹にストーカーを仕掛けてた男は俺を引きずると駐車場の車と車の間まで持っていき、服をまさぐる
痛みは続いてる、なのに意識は少しずつ揺らぎ始める……テハ、キヅグチ アシハ、ウゴカナイ……
「虫の息かよ。こんな奴に人生メチャクチャにされたとか、マジ笑えねーーっと」
『♪~♪~』
男がナニをサガシテるのか、ワカラナイ。だけど、俺の鞄から鳴ったSNSの受信音に気づくと男は服から手を離してそちらに手をのばした
「あった。あった……………ヒヒッ。そこな」
男は携帯を見て悪意に満ちた笑みを浮かべると、俺には目もくれずに立ち去った
何をミテタ……?そこって、ドコダ?
「ナツ、き………?」
それしかない。簡単だ、男が探してるのは自分を破滅に追いやった二人の人間。
俺と………夏樹だ
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