1章 私の罪 前編

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それから2ヶ月後。 私はようやく現行ライダーまでの作品の確認を終えた。平成シリーズのみなのは勘弁してほしい。生活の合間を縫うとなると中々一気に見る余裕はないのだ まあ、見てみると思った以上にドラマ面が重視されてて引き込まれたので楽しめたし、それを藤花に話したりするのが日課にもなっていた。 「じゃ、約束通りライダージュエルについて教えるけど、実際にやってみるのが分かりやすいかな」 そんなわけで、今日は藤花さんと公園にお出掛け。彼は肩にかけていたポーチを開け、中から何個かのライダージュエルを取りだしベンチの上に並べる。 「とりあえず5個。夏樹、好きなのを一つ選んでくれる?」 彼のジュエルを上から覗き混み、ジュエルの中に描かれたライダー、怪人を確認する。 えっと…… ブレイド ピスケスゾディアーツ ズ・ザイン・ダ ライア オーズ(シャウタコンボ) 最後のジュエルを目にした次の瞬間には既に私の手の中にそれが収まっていた。特に考えてはいない。私はまるで引き寄せられるように、それが当然であるかのようにその戦士の宝石を 「これにします」 と、藤花さんに告げる。彼は一度ジュエルを私から取って、太陽に透かして何かを確認した後に私に戻す。 「うん、僕も君にはそれが似合ってると思うよ」 おっと、思わず彼の言葉に頬が緩んでしまうのを押さえ込む。 「じゃあ、お互いがジュエルをかざしてスタートだ。俺は……まあ、ブレイドにしようかな」 と、私と彼がそれぞれのジュエルを翳した瞬間、それぞれのジュエルから青い光が発せられた。
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