最期のレストラン

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「そんなのってないんじゃない? キチンと全うして、最期に待っているのが消えるだけなんて……悲しすぎる」 なぜ地獄に堕ちた人間の肩を持っているんだろうかとは若干思ったものの、それが今の私の正直な気持ちだった。 「それが因果応報というやつだ。あいつらが生前どんな非道な事をやってきたか…… 地獄に堕ちた時点で運命は決まっている。 それに、ここまで来れる奴は稀だ。 地獄の途中で先へ進めなくなったものは、眠ることも食うことも許されず、切り裂かれ、焼かれ続け、苦悶の叫びを上げ続ける。……未来永劫ね。 地獄を進む者は、ここまで辿り着き、消滅することを切望しているんだよ」 そんなのって、やっぱり、悲しすぎる。
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