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「うち、近いからだいじょーぶでーす。」
親切な金髪くんに、完全に酔っぱらった口調で言う。
よくよく見ると、目つきは鋭いが整った顔をしている。
大学生くらいかな、と思った。
「じゃあ、そこまで送りますか…?」
「え、いいよ~。ほっといて~。」
金髪くんは楓の横にしゃがむと、あごで横の店を指した。
「そこの店のもんなんすけど、ほっといて朝、店の前で死なれてたりしてたら、さすがに…」
楓は下りているシャッターを見た。
何屋だかわからなかったけど、確かに人の店の前で寝るのは申し訳ない。
「あー、じゃあ帰ります-。ごめんねぇ。」
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