第1章

7/9
前へ
/9ページ
次へ
ようするに。 義賊は、精神が強靭高潔なまま保っていくことが必須。 それが要求される賊なのだ。 赤毛の青年は、ぐっと唇を噛み締め、それから叫ぶように言い返した。 「それでも!俺は義賊になりたい!」 貧しくて、医者にかかれなかった妹のため。 貧しくて、酒に逃げて病に倒れた父のため。 貧しくて、酒に溺れた父に殴られどこかへ逃げるしかなかった母のため。 「俺の街の賊屋は小さくて、義賊のスキルは取り扱っていないと言われた。ここは、あるんだろう?だったら、俺はここで義賊になりたい!真面目に働こうにも働けない、必死で生きようとしているのに生きられない、そんな人たちの役に立ちたい!陰険な金持ちどもから奪って!」 青年の決意は、固かった。 曲げることができないと知り、老紳士は深々と頭を下げた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

492人が本棚に入れています
本棚に追加