episode 8

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「いやいや、だってさ。義人がそんな顔して女の子見てるなんて初めてだから。よっぽど凄いモノ出てんのかと思うじゃん」 「凄いモノ出てんなら余計にガン見しねぇよっ」 「じゃあ何だよ」 「何って……」 何なんだろう? ただどうしても視線があっちに向かってしまう。 その笑顔が見たくて我慢できない。 変態丸出しが許されるなら、聞き耳立てて声とか聞きてぇし。 出来ることなら何かに託けて話しかけてみたい。 何の接点もない俺が話しかけるとか、無理な話だけど。 それでも何だか落ち着かなくて、さっきからずっとバクバク動悸がする。 何に興奮してんのか、何に反応してんのかわからない。 けれどあの子を見てると…堪らなくなる。 「俺…病気かも」 「じゃ、今すぐ帰れ。倍率減るから」 「絶対帰らねぇ」 それよりもむしろ。 絶対に受かりたい。 心の底からそう思った。
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