20321人が本棚に入れています
本棚に追加
「結菜…別れよう」
突然に言い渡された宣告。
「…え…」
言葉を紡げないけれど、私はきっと何処かで予感していたのかもしれない。
「結菜は全部が完璧過ぎるんだ。仕事の話も的確すぎるし、俺に尽くしてくれるけど、それもダメ男だからって言われているようで辛い」
「……」
またか…。
すべて自分から望んできたくせに、それを叶えてしまうと『辛い』と言って離れていく。
「どうしてそんな話を今したの?抱いたあとにするなんて狡いわ」
別れようと言った彼は、ほんの10分前まで私のナカにいた。
別れるのなら、あんなに夢中になって私を欲さないでほしかった。
「ごめん…。結菜のこと、好きすぎるんだよ俺。だから離したくないのにダメ男と思われたくない」
そんな男の戯言、情けない顔で言わないで。
最初のコメントを投稿しよう!