episode 2

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自分に向けられる視線が変わるのが怖くて、いつまでも人に対してギリギリのところで線を引いていた。 なのに私は自分を出せないのは、相手のせいじゃないのかって思ってた。 私に理想やプレッシャーを与えすぎるからだって。 でも、そんなことあるはずなかったんだ。 全ては私が片意地を張ってたせい。 私自身が心を開放しないと、誰からも本当のことは理解してもらえないんだ。 そんな簡単なことに気が付くのに、一体どれだけの無駄な時間を費やしたんだろう。 「とりあえず俺にはバレてんだから、少しずつ俺で練習すればいいんじゃねぇの?」 「でも…」 「遠慮はいらねぇよ。俺もするつもりねぇし」 「え?」 最後らへんが小声で聞こえなくて聞き返したけれど、柴垣くんはもう教えてはくれなかった。 「さ、もう残業すんのも面倒くせぇし、帰るか」 柴垣くんはそう言ってさっさと机を片付けだした。
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