1章 オカルティスト同好会

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時間的に余裕のある者が、部室に来て、雑談をしているのが実情という ところか。 まして前期試験を一ヶ月後に控えたこの時期に、 部員が4人も集まることのほうが珍しいことかもしれない。 「前期試験が終わったら夏休みだな」  何気にそうつぶやいたのは赤井だった。彼はグレ ーの無地のロングTシ ャツを肘まで捲り上げていた。 ポケットのいくつもついた、カーキ色のカーゴパンツ。 頭にはソフトバンクホークスのキャップを目深に被っている。 6月半ばとはいえ、日増しに強くなる西陽をさえぎるためか。
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