1章 オカルティスト同好会

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「来年の今頃は就職の内定に大忙しだし、なんかやれるとしたら、  この夏しかない」 赤井幸太郎は独り言のようにいった。 「何かやれるって?何ですか?」 そう訊きかえしたのは松本藍だった。 彼女にはもう夏が来ているような服装だった。 半袖のピンクのTシャツに、下はデニムのミニスカート。 少し太めの生足の太ももがまぶしい。 ルックスは童顔で愛嬌のある顔立ちをしている。 それに彼女はいつもあどけない笑顔を絶やさないこともあってか、 男子学生に人気があるようだ。 そんな明朗快活な雰囲気の彼女が、オカルト的なことに興味があることに 意外な気持ちを抱いたのは赤井幸太郎だけではなかった。 松本藍は、大きな両目で赤井部長を見つめる。 彼女の問いに赤井幸太郎は生あくびをこらえながら答えた。
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