1章 オカルティスト同好会

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「オカルティスト同好会などといってても、 たいしたことやってないだろ?部員が集まっても、 ここで雑談してダベってるだけだしな」 「でも赤井先輩、去年は佐賀の幽霊が出るっていう  廃病院に行ったそうじゃないですか」  そういったのは佐々木紫郎だ。 180センチを越える長身で、 エンジ色のポロシャツにベージュのチノパン。 頭髪は短く刈り上げている。 そんな佐々木は空手二段の腕前だった。 空手は7歳の頃からやっていたが、 高校2年生の時に、腰を故障してからは、 思い出したように筋トレ代わりに行く意外は、空手道場にはほとんど 通っていない。そのせいで、空手部にも入部していない。 彼が空手をやっていたことを入部の際聞かされた赤井は、 少し驚いたものだった。赤井の勝手なイメージだが、 格闘技をやっている猛者は、心霊スポットや都市伝説とは 真逆の立場にいるように思えたからだ。
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