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そして一緒にその罠をはずそうと力をあわせるが、
トラバサミはびくともしなかった。
今絵津浩一の脳裏に刹那に浮かんだのは、
地元の猟師がイノシシかシカ用に
しかけた罠なのだと思ったことだ。
「こんなところに罠なんか仕掛けやがって!
訴えてやるからな」
今絵津浩一は半泣きになりながらも、
トラバサミをはずそうともがいた。
右足の感覚が徐々に失われていくのが感じられる。
鴨永美代子もそれを手伝うが、
女性の力で何とかなるようなものではなかった。
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