459人が本棚に入れています
本棚に追加
/545ページ
「おい、黒沢、話がとまってるぞ」
赤井幸太郎に言われ、黒沢卓也は真向かいに座っている、
赤井に向き直った。
「1983年頃に起きた事件らしいんですが、
犬吼えトンネル付近で、
カップルが行方不明になったらしいんです。
それもいまだに発見されていません。
大掛かりな捜索も行われたらしいんですが、結果は同じです」
そういった黒沢卓也に、蒼河雄太が口を挟んだ。
「どうせ、山深く入って迷子にでもなったんだろ?」
「それが妙なんです 。二人とも軽装だったらしいし、
それに血痕も見つかってるんですよ」
黒沢の答えに、それまで無言でモツ鍋を
食べていた佐々木紫郎が箸を止めた。
最初のコメントを投稿しよう!