4章 都市伝説

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「おい、黒沢、話がとまってるぞ」 赤井幸太郎に言われ、黒沢卓也は真向かいに座っている、 赤井に向き直った。 「1983年頃に起きた事件らしいんですが、 犬吼えトンネル付近で、 カップルが行方不明になったらしいんです。 それもいまだに発見されていません。 大掛かりな捜索も行われたらしいんですが、結果は同じです」 そういった黒沢卓也に、蒼河雄太が口を挟んだ。 「どうせ、山深く入って迷子にでもなったんだろ?」 「それが妙なんです 。二人とも軽装だったらしいし、   それに血痕も見つかってるんですよ」 黒沢の答えに、それまで無言でモツ鍋を 食べていた佐々木紫郎が箸を止めた。
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