4章 都市伝説

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「ああ、今回は女性が3人もいるし、   何しろあの旧犬吼えトンネルだ。   2週間後、前期試験が終わった   翌週の昼間に行くことにしよう。   もちろん日帰りでな。しかも佐々木って   空手有段者の猛者もいる。   もし何かあっても大丈夫だ」 まだ不安そうな黄崎理香を諭すように、赤井幸太郎は言った。 (何かって、何よ?) まだ不安を拭いきれない黄崎理香は、心の中でひとりごちた。 「ところで車はどうする?7人ともなれば、   すくなくとも2台に分乗することになるが・・・」 蒼河雄太は生ビールのおかわりを、店員に注文しながら、 赤井幸太郎に言った。 「それなら心配ない。俺の親父が   7人乗りのワンボックスを持ってる。   それも4輪駆動だ。親父に言って借りるつもりだ」 それから午後10時にお開きになるまで、7人は雑談に興じた。 ただ、浮かない表情をしているのは、 相変わらず黄崎理香だけだった。
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