白い闇

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平田は首から上が、白くなっていた。 つまり首だけが、まだ残っていたのだ。 自分を驚愕の目で見る規子を見て、留美子も気づいた。 小走りに姿見の前に立つと、くいいるように自分の首を見つめた。 「留美子!」 留美子が振り返る。 「女の嫉妬って、ほんと、どうしようもないのね」 そう言うと、一粒の涙を流した。        了
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