0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまえのせいじゃないだろ?気にすんな。あいつらは、俺が何とかするからさ。」
「‥うん。ありがとう、真咲くん。ホントごめんね。」
「‥‥。お前さっきから謝ってばかりな。赤ペコか?」
「え…。それってどうゆう…」
真咲くんの思わぬ例えに、どう反応してよいかわからず。わたしは困ったように真咲くんを見つめてしまった。
「ぷっ‥ハハハ。冗談だよ。冗談!ホントおまえって面白いヤツだな!」
「えっ…ちょ…。もうっ!」
「ハハハ!まぁ、体育祭までの間だけどよろしくな。」
真咲くんてば、ホントいじわるなんだから!‥でも、少しだけ安心した。応援合戦、頑張ってみようかな。
『あぁ~蓮くんあそこにいたぁ~!』
「げっ‥やば‥。や、やあ‥。俺に何か用事?(神奈‥今のうちに離れろ!)」
「(う、うん‥。わかった‥。ありがとう。)」
女の子達の視線をそらしながら、真咲くんがコソッと耳打ちをしてきた。
わたしは、下駄箱の影に隠れながら、女の子達に見えないように、こっそりとその場を離れる。
「ふぅ‥ここまでくれば安心だよね‥。」
でも‥困ったな‥。あのぶんじゃ、しばらく帰れないかも‥。
どっちにしろ、傘持ってないし‥、せめて雨が弱くなるまで図書室で時間つぶそうかな。
《ガラガラ‥》
えっと‥空いてる席あるかな‥。あれ?あそこで寝てるのって‥‥
わたしはそっとその人物に近づいてみた。
あ‥やっぱり‥。
図書室の一番奥の席で、腕を枕に気持ちよさそうに克己くんが寝ている。
「克己くん‥?」
わたしは、耳元で小さく彼の名前を呼んでみた。
起きないや‥。克己くんて気づくといつも寝てるよね。まぁ‥こう雨ばかりだと尚更眠くなる気持ちもわかるけど‥。
フフ‥。でも、ホント気持ちよさそうに寝てるなぁ‥克己くん。
「んん‥?」
小さく吐息が零れて、大きな体が起き上がった。
「おはよう。克己くん。」
「ぁぁ‥おはよ‥っ!?‥美月!?」
起きてすぐ目の前にあるわたしの顔に驚いたように、克己くんは慌てて上半身を反らした。
最初のコメントを投稿しよう!