応援合戦『六月の花嫁』

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「おまえのせいじゃないだろ?気にすんな。あいつらは、俺が何とかするからさ。」 「‥うん。ありがとう、真咲くん。ホントごめんね。」 「‥‥。お前さっきから謝ってばかりな。赤ペコか?」 「え…。それってどうゆう…」 真咲くんの思わぬ例えに、どう反応してよいかわからず。わたしは困ったように真咲くんを見つめてしまった。 「ぷっ‥ハハハ。冗談だよ。冗談!ホントおまえって面白いヤツだな!」 「えっ…ちょ…。もうっ!」 「ハハハ!まぁ、体育祭までの間だけどよろしくな。」 真咲くんてば、ホントいじわるなんだから!‥でも、少しだけ安心した。応援合戦、頑張ってみようかな。 『あぁ~蓮くんあそこにいたぁ~!』 「げっ‥やば‥。や、やあ‥。俺に何か用事?(神奈‥今のうちに離れろ!)」 「(う、うん‥。わかった‥。ありがとう。)」 女の子達の視線をそらしながら、真咲くんがコソッと耳打ちをしてきた。 わたしは、下駄箱の影に隠れながら、女の子達に見えないように、こっそりとその場を離れる。 「ふぅ‥ここまでくれば安心だよね‥。」 でも‥困ったな‥。あのぶんじゃ、しばらく帰れないかも‥。 どっちにしろ、傘持ってないし‥、せめて雨が弱くなるまで図書室で時間つぶそうかな。 《ガラガラ‥》 えっと‥空いてる席あるかな‥。あれ?あそこで寝てるのって‥‥ わたしはそっとその人物に近づいてみた。 あ‥やっぱり‥。 図書室の一番奥の席で、腕を枕に気持ちよさそうに克己くんが寝ている。 「克己くん‥?」 わたしは、耳元で小さく彼の名前を呼んでみた。 起きないや‥。克己くんて気づくといつも寝てるよね。まぁ‥こう雨ばかりだと尚更眠くなる気持ちもわかるけど‥。 フフ‥。でも、ホント気持ちよさそうに寝てるなぁ‥克己くん。 「んん‥?」 小さく吐息が零れて、大きな体が起き上がった。 「おはよう。克己くん。」 「ぁぁ‥おはよ‥っ!?‥美月!?」 起きてすぐ目の前にあるわたしの顔に驚いたように、克己くんは慌てて上半身を反らした。
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