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しばらくして、僕の目の前に湯気がたったコーヒーが置かれた。
「さあ、お客様。どのような夢をご希望で?」
僕はコーヒーを一口飲んでから話し出した。
「僕には好きな人がいます。
僕の通う高校の、隣のクラスの吉岡さんです。
できれば、お付き合いをしたいと思うのですが、なかなか勇気が出なくて…。
告白どころか、お話をすることも…。
お願いです!夢の中だけでもいいんです!
吉岡さんと話したり、付き合ったり、…その、キスしたり…できませんか?」
「もちろんできます!なんせ、当店は夢を売る喫茶店ですから!
ただし、夢はただではありません。」
「…。そうですよね、えっと…いくらくらいですか?」
「お客様。夢はお金で買うものではございません。
結果で買うものでございます。
お客様が見た夢の結果を当店にお売りください。」
「?どういうことですか?」
「つまり、お客様が夢を見た後の行動を私たちが買い取るのです。」
「すみません、あまり意味がわからないのですが…。
とにかく、お金はいらないのですよね?」
「はい、いただきません。」
「危険はありませんよね?ほら、臓器を売ったり…。」
「こちらからそのようなことをすることは一切ございません。」
「なら、僕に夢を売ってください!」
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