獣人娘（仮入居）と旦那様

とっても元気なダンボール

「よくぞ聞いてくださいました旦那ァ！！　アタシはしがないさすらいキャット、野を越え海越え山を越え、一人行く旅は三千里。　流した涙は数知れず、浮かぶ思い出は星より多く、好きな食べ物は甘いもの！！　天地よ人よ我を見よ！　ここにおわすは獣人族が一匹狼、猫の者の一角である……」

「簡潔に述べろ、警察呼ぶぞ」

「ちょっと遠い世界にあるアタシの部族の掟で、一人前の大人に成る為の武者修行的なアレで旅をする事になったのですが、それがめんどくさくて人間社会に居候させてもらう事で旅をした事にしようと思ってここに忍び込みましたはい。　選定基準はあけっぱなしの窓からお菓子が見えたからです」

なるほど……一人暮らしだからってセキュリティ管理が疎かなのは良くないなホント。

状況としては飲み込めない事だらけだが、一応把握はした。　こうなると最善策を取るのが一番だな。