第1章

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「葉....」 市原くんは少し涙がでそうな そんな顔をしていた 浅間くんは ただ無表情で私達を見ていた。 「大きくなったな...こんなかっこよくなっちゃって...」 市原くんは 無表情な浅間くんに 笑顔で言った 入学式のとき日記を落とした人と全く同じ人だった。 たった一瞬 見ただけで今 あらためてみると 綺麗な顔をしていた。 「部屋 入って」 浅間くんは私達を部屋に入れさせてくれた。 浅間くんの部屋はいたってシンプルで 何もない部屋だった。 私は 浅間くんに日記を返した。 浅間くんは 少し頬を染めて「ありがとう」と言ってくれた。 「あのときビックリした だから声でなくて 何も言えなかった ごめん 小鳥遊さん...」 すごい優しい声 でもなんだか弱々しかった 私はノートに 全然平気! こちらこそ ごめんね 浅間くんはさっきの無表情とは違い 暖かい笑顔を見せた。 この笑顔は嬉しい というより 安心という想いが強かった そのとき 笑顔は消えた 「おまえ..日記 見ただろ...」 さっきの口調 顔とは全く別人な浅間くんは 私を睨みつけた。 「.....っ」 「なんか言えよ!!!」 突然浅間くんは叫んだ 私は日記を見てしまった でも今の彼に伝えることができなかった 「葉 落ち着け!大丈夫だから!」 暴れる葉を 市原くんは必死でとめた 一分後 浅間くんは動きがとまり 涙を流し始めた 「ごめん...僕...」 声を出し泣いた浅間くんは どこかすごくさびしそうで 助けてあげたい そういう気持ちに私はなった 市原くんは浅間くんに「泣き虫だなぁ..笑」と 笑顔で背中をさすっていた。 私はノートに ごめんね 実は日記 見たよ。 でも 大丈夫。私は浅間くんを変なやつなんて思ってないよ 私は必ず 浅間くんを助けるから 声がでなくて ごめんね。 今日は 浅間くんに会えて 本当によかった そう書いた紙を 浅間くんの机に私は置いた 浅間くんは泣き疲れベッドに寝たときに 私達はゆっくりと部屋をでた。
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